ドライブの知識

ETC活用術!時間割引&フリーパスで高速道路をおトクに使う

ETC活用術!時間割引&フリーパスで高速道路をおトクに使う

高速道路や有料道路を利用するのに、すっかりおなじみとなったETC(自動料金収受システム)。国土交通省の調べによると、主要高速道路を走行するクルマの実に94.4%(2023年2月時点)が、ETCを利用しています。

料金所ゲートを通過する際、チケットを受け取る手間や利用料金を支払う手間を省いてくれるだけではなく、通行料金が割引かれる、通行料金に還元できるマイレージポイントの付与など、さまざまなサービスが受けられるのも、ETC利用の大きなメリットです。そこで、さらにおトクに便利にドライブを楽しむための、「ETC活用術」をまとめました。

<目次>
そもそもETCってどんなシステム?
使うだけでおトクになる5つの割引
乗り放題のフリーパス「ETC周遊割引」
ポイントが貯まる「ETCマイレージサービス」
SA/PAにも設置の「スマートIC」が利用できる
カレコは全車にETC車載器を標準搭載!
割引やサービスを活用しておトクに!

そもそもETCってどんなシステム?

まずは、ETCについておさらいしておきましょう。ETCシステムは、高速道路や有料道路の料金所ゲートに設置されたアンテナと、クルマに搭載したETC車載器とで通信を行い、自動的に利用料金を算出して決済を行うシステムです。

ETCを利用するには「ETC専用」もしくは「ETC・一般」のゲートへ
ETCを利用するには「ETC専用」もしくは「ETC・一般」のゲートへ

料金所を停車することなく通過できるため、料金所での渋滞を抑制・緩和することを目的に制度化されたもので、利用料金は契約したクレジットカード会社などを介し、ETCカード所有者の銀行口座から引き落とされます。

現在、ETCは「ETC2.0」へとバージョンアップ。それまでのETC(1.0)のサービスに加え、高速道路上の渋滞や事故、落下物の注意喚起を行い、対応カーナビゲーションで適切なルートを提示する、災害発生時にドライバーを支援する、都心部を迂回する高速道路(圏央道など)の利用料金により多くの割引を適用するといったサービスを実施しています。

使うだけでおトクになる5つの割引

高速道路から降りる際、料金所ゲートでは利用料金や割引額が掲示されます。このとき、同じ高速道路、同じ区間を利用しているのに、日によって利用料金や割引額が異なり、不思議に思ったことはないでしょうか? これはETCの機能を利用した、割引サービスが行われているからです。

高速道路を出るときに表示される料金は割引後のもの
高速道路を出るときに表示される料金は割引後のもの

ETCはさまざまな意図や目的により、利用料金の割引サービスを実施しています。ほとんどの割引サービスは、対象となる曜日や時間、あるいは対象高速道路を走行することで、自動的に割引が適用されます。複数の割引サービスと条件が重なった場合、原則として割引率のいいサービスが適用されます(両方の割引が重複することはありません)。では、具体的な割引制度を見ていきましょう。

<休日割引>
割引率:30%
対象車両区分:普通自動車・軽自動車等(二輪車)
対象日:土曜日・日曜日・祝日
対象道路:NEXCO東日本・中日本・西日本が管理する、地方部の高速道路、宮城県道路公社の仙台松島道路

※年末年始や大型連休期間、帰省シーズン(8月13~15日前後)は対象外
※首都高速道路は首都高速道路株式会社が管理するため対象外
※東京近郊、大阪近郊の区間は対象外。詳細はこちらを参照

この休日割引は、観光需要を喚起し、地域の活性化を目的として実施されました。対象日に、対象となる高速道路を利用すると適用されます。対象日をまたいでいれば(金曜日の22:00から土曜日の2:00まで利用、あるいは日曜日の22:00から月曜日の2:00まで利用など)、割引サービスの対象に。

対象外の高速道路(東京近郊、大阪近郊)から対象道路に乗り入れた場合、対象道路の利用料金のみ、割引サービスが適用されます。たとえば、東京IC(インターチェンジ)から東名高速道路を利用し、御殿場JCT(ジャンクション)で一般道に降りた場合、東京ICから厚木ICまでは対象外になり、厚木ICから御殿場JCTまでの利用料金に割引サービスが適用されます。

<深夜割引>
割引率:30%
対象車両区分:すべての車種
対象日:全日
対象時間:0:00~4:00
対象道路:NEXCO東日本・中日本・西日本が管理する、地方部の高速道路宮城県道路公社の仙台松島道路

※首都高速道路は首都高速道路株式会社が管理するため対象外
※京葉道路・第三京浜道路・横浜新道・横浜横須賀道路は対象外

深夜割引は、高速道路に平行して通る一般道の沿線環境を改善するために実施されているもので、対象時間をまたいでいれば(22:00から翌日の2:00まで利用、あるいは2:00から6:00まで利用など)、割引サービスの対象となります。

目的地に応じて出発時間を調整すればおトクに利用できる
目的地に応じて出発時間を調整すればおトクに利用できる

首都高速道路や京葉道路など、対象外の道路から対象道路に乗り入れた場合、乗り入れた時間で割引サービスの適用を判断。たとえば、船橋ICから京葉道路を利用し、館山自動車道に乗り入れて富津竹岡ICに向かった場合、千葉南JCTを「4:00前に通過したか否か」で適用の判断が行われます。船橋ICに入った時間は関係ありません。時間帯による割引には「平日朝夕割引」もありますが、こちらは「ETCマイレージサービス」の項目で解説します。

<外環道迂回利用割引>
割引額:直行した(迂回しなかった)金額まで割引
対象車両区分:すべての車種
対象日:全日
対象出入口:
・首都高速道路<宝町・京橋・新富町・銀座・汐留・芝公園・飯倉・霞が関・代官町・北の丸・神田橋・八重洲・丸の内>
・東京高速道路<新橋・土橋・西銀座・新京橋・東銀座>
対象放射高速道路:東北道・関越道・常磐道・東関東道・京葉道路・首都高速埼玉大宮線

外環道迂回利用割引は首都高速道路や東京高速道路、放射高速道路の交通量分散を目的として実施されています。首都高速道路や東京高速道路に設置されている出入口を乗り降りする車両が対象で、混雑や渋滞を避けるため外環道を利用して迂回しても、直行時の利用料金まで割引いてくれるサービスです。

迂回できるのは1ジャンクション間まで。たとえば、三郷JCT(常磐道)から隣(1ジャンクション間)の川口JCT(東北道)や京葉JCT(京葉道路)を利用する迂回は対象となりますが、2ジャンクション間離れた美女木JCT(首都高速道路)や高谷JCT(東関東自動車道)を利用する迂回は対象外になります。

<千葉外環迂回利用割引>>
割引額:直行した(迂回しなかった)金額まで割引
対象車両区分:すべての車種
対象日:全日
対象首都高速道路出入口:湾岸線(葛西出入口以西)・羽田線(空港西出入口以南)・横羽線・三ツ沢線・狩場線・大黒線・川崎線・横浜北線・横浜北西線の出入口

千葉外環迂回利用割引は外環道迂回利用割引と同様に、首都高速道路の交通量分散が目的の割引。対象となる首都高速道路の出入口を乗り降りし、常磐道を利用する車両が対象となります。混雑や渋滞を避けるため千葉外環道(三郷JCT~高谷JCT)を利用して迂回しても、直行時の利用料金まで割引いてくれるサービスです。

<アクアライン割引>
割引額:車両の種類別
対象車両区分:すべての車種
対象日:全日
対象道路:東京湾アクアライン(浮島IC~木更津金田IC)

「おすすめドライブ」でもたびたび登場している東京湾アクアライン
「おすすめドライブ」でもたびたび登場している東京湾アクアライン

アクアライン割引は、高速道路ネットワークの有効活用や地域経済の活性化を目的に実施されました。東京湾アクアラインの通常利用料金は軽自動車2,510円、普通自動車3,140円ですが、アクアライン割引を適用すると、軽自動車640円(差額1,870円)、普通自動車800円(差額2,340円)に減額されます。東京湾アクアラインを渡りきらず、海ほたるPAでUターンした場合も対象になります。

>>>アクアラインで行くおすすめドライブ

乗り放題のフリーパス「ETC周遊割引」

ETCを活用したドライブ観光プランとして、「ETC周遊割引」があります。指定の周遊エリア内の高速道路が、定額料金で自由に乗り降りできる、いわば高速道路のフリーパス。「高速道路観光周遊割引」や「周遊パス」とも呼ばれ、NEXCO東日本では「ドラ割」、中日本は「速旅(はやたび)」、西日本は「みち旅」という商品名で、それぞれ販売されています。

周遊割引は日本のどこでも対象というわけではなく、各NEXCOで販売されているプランに沿った地域が対象。NEXCO東日本を例にすると、2023年5月末の時点で販売されているドラ割は「HOKKAIDO LOVE! 道トクふりーぱす」「東北観光フリーパス」「北関東周遊フリーパス」「佐渡島ゴールデンパス」「新潟観光ドライブパス」「信州めぐりフリーパス」、くわえて2輪車向けの「ツーリングプラン2023」の7プラン。自動車向けの各プランをまとめると、以下になります。

周遊割引の購入は、ドラ割公式サイトからの事前の申し込みが必要になりますが、申し込みの完了と同時に利用が可能。出発エリアや周遊エリアに入る直前の申し込みでもOKなのが、嬉しいところです。

出発エリアが設定されているプランは、首都圏からの周遊エリアまでの高速道路利用料金(1往復分)をセット購入することができます。首都高速道路から出発エリア(NEXCO東日本の管理する高速道路)に乗り継ぎもできますが、首都高速道路の利用料金は自己負担です。

出発エリアから周遊エリアまでの高速道路利用料金は、通常よりもおトクに設定されています。ですが、出発エリアを利用せず、深夜割引等を利用して移動することで、もっと安く通行できる場合もあります。深夜割引を利用するには、深夜や早朝に出発する必要がありますから、旅行の日程や体調を考慮して選びましょう。

くれぐれも無理のない旅の計画を
くれぐれも無理のない旅の計画を

周遊割引の申し込みには、ETCカードの情報やマイカーの情報を入力する必要があり(カーシェアやレンタカーを利用する場合は、マイカーの情報を入力する必要はありません)、登録したETCカードと異なるETCカードを利用すると、周遊割引は適用されません。

周遊割引のキャンセルは、出発エリアや周遊エリアに入る前までなら無料。また、設定した旅行期間内に出発エリアや周遊エリアに入らなければ(ETCの利用が認められなければ)、自動的にキャンセル扱いとなり、料金の請求は行われません。とはいえ、誤って出発エリアに入ってしまう可能性もあるので、「行けない」とわかった時点でキャンセル申請を行いましょう。

ポイントが貯まる「ETCマイレージサービス」

ETCマイレージサービスは、ETCカードで支払った高速道路や有料道路の利用料金に応じたポイントが貯まるサービスです。貯まったポイントは還元額に交換でき、利用料金の支払いに利用できます(還元額を利用した無料走行時には、ポイントは発生しません)。

このサービスを実施しているのは、NEXCO東日本・中日本・西日本のほか、宮城県道路公社、本州四国連絡高速道路株式会社、愛知県道路公社、神戸市道路公社、広島高速道路公社、福岡北九州高速道路公社の8社。

ポイントの付き方や貯まったポイントの交換単位は、道路事業者によって異なります。NEXCO東日本・中日本・西日本は、以下のとおり。

※他の道路事業者はETCマイレージサービス公式サイトを参照

なお、ETCマイレージサービスを利用するには、事前の登録が必要です。登録は無料で、年会費はかかりません。高速道路や有料道路を利用した翌月20日にポイントが付与されます。登録はETCマイレージサービスの公式サイト、または郵送で行えます。

先に、「ETCマイレージサービスの項目で解説します」としていた、「平日朝夕割引」はETCマイレージサービスへの登録が必須の割引です。

<平日朝夕割引>
対象車両区分:すべて
対象日:平日(月~金曜日)※祝日は除く
対象時間:6~9時、および17~20時
対象道路:NEXCO東日本・中日本・西日本が管理する、地方部の高速道路
宮城県道路公社の仙台松島道路

※首都高速道路は首都高速道路株式会社が管理するため対象外
※東京近郊、大阪近郊の区間は対象外。詳細はこちらを参照

平日の通勤時間帯は高速道路や有料道路の交通量に余裕があることから、一般道の混雑緩和を目的に実施されたもの。この平日朝夕割引は、休日割引や深夜割引と異なり、利用料金が割引になるのではなく、利用した回数に応じたマイレージが還元されます。そのためマイレージサービスの登録が必須になります。

毎月(1~末日)、平日朝夕割引の対象となる利用回数に応じた還元率を、割引対象区間の通行料金のうち、最大100km相当分に適用。還元額を利用しての無料走行時でも、平日朝夕割引の対象となります。休日割引、深夜割引、アクアライン割引が適用される場合、平日朝夕割引は対象外になります。

対象時間をまたいでいれば(8:00から10:00まで利用、あるいは16:00から月曜日の18:00まで利用など)、割引サービスの対象に。ただし、原則として朝夕、それぞれ最初の1回の利用に限ります。

SA/PAにも設置の「スマートIC」が利用できる

スマートICは有人の料金所を持たず、ETCゲートのみを設置した、高速道路の出入り口です。

SA/PAや道の駅などにも設置されるスマートIC
SA/PAや道の駅などにも設置されるスマートIC

必然的にスマートICを利用できるのは、ETC搭載車に限られます。高速道路に直接、アクセス路が繋がる「直結型」や、SA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)と繋がる「接続型」があり、2023年3月の時点で、全国に153カ所のスマートICが稼動しています。

ETC車載器がETC2.0に対応していれば、道の駅などの特定の施設に立ち寄るための“一時退出”ができることも特徴。一度、一般道に降りて再び高速道路に乗ったとしても、利用料金はそのまま引き継がれます。

休憩施設を確保するための措置で、SA/PAといった休憩施設の間隔が25km以上離れている区間に限定して設置されます。一時退出は2時間以内。必ず道の駅に立ち寄り、再進入は同じICやスマートICを利用するといった制限があるため、こうした点はご注意ください。

画像は「道の駅 保田小学校」。一時退出の対象となる道の駅は、ICから2km以内に位置している
画像は「道の駅 保田小学校」。一時退出の対象となる道の駅は、ICから2km以内に位置している

“一時退出”は現在、全国で23箇所の道の駅で実施中。ETC総合情報ポータルサイトで確認できますが、ほとんどの高速道路では標識で、道の駅やスマートICの情報を教えてくれます。

カレコのカーシェアでは「アルファード」や「ヴォクシー」など一部の車種で、ETC2.0に対応した車載器を搭載しています。“一時退出”を利用する可能性がある場合は、出発する際に車載器がETC2.0に対応しているかどうかを確認するようにしてください。

カレコは全車にETC車載器を標準搭載!

カレコのカーシェアでは全車、ETC車載器を搭載しています。おおむね運転席側のインストルメントパネル上に設置していますが、車種によってはインストルメントパネル下部やグローブボックス内などに設置されています。

ETC車載器の位置がわからない場合、グローブボックス内にある車種別マニュアルで確認することができます。

インストルメントパネル上に設置されるETC車載器
インストルメントパネル上に設置されるETC車載器

なお、ETCカードの用意はありませんので、ご自身でご用意ください。また、前述のように車種や導入時期によりETC2.0に対応しているものと対応していないものがあります。あわせてご了承ください。

割引やサービスを活用しておトクに!

高速道路や有料道路を使ってのドライブに便利なETC。これまでも知らないうちに休日割引や深夜割引を利用していたかもしれませんが、各種の割引や適用のしかたを知ることで、さらにおトクに使えて、効率よくETCマイレージポイントを貯めることも可能です。もし、まだマイレージサービスを登録していないのなら、これを機に申請してはいかがでしょうか?

なお、カレコのカーシェアの返却時、ETCカードの忘れ物が大変、多くなっています。利用終了をする前に、ETC車載器の確認をお忘れなく!

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