クルマ・サービス

社長インタビュー前編:カレコが目指すカーシェアリングサービスとは

首都圏を中心に展開するカレコ・カーシェアリングクラブ。そのカレコを運営するカーシェアリング・ジャパン株式会社の代表取締役 村山 貴宣のインタビューを3回にわたってお届けします。第1回は「カレコが目指すカーシェアリングサービスとは」がテーマです。

※カーシェアリング・ジャパン株式会社は、2017年4月1日に三井不動産リアルティ株式会社と合併いたしました。

「カーシェアリングがコンビニのように身近なサービスになること」を目指すカレコ

ブログ編集部

まずは「カレコ・カーシェアリングクラブ」をスタートしたきっかけを教えてください。どういう思いからカレコという事業を開始したのですか。

村山

私たちは、カーシェアリングを「豊かな暮らしを支える次世代の交通インフラ」と位置づけています。「所有」することで豊かさを感じる時代から、現在は個々人がそれぞれの価値観で“豊かな暮らし”を求める時代に変化しつつあります。戦後日本において、クルマを所有することは、豊かさの象徴であり、ステータスでした。一方、近年は、環境意識の高まりと重なり、都市部を中心に「クルマは必要な時に必要な分だけ利用できればよい」と考える方が増えています。

価値観が「所有」から「利用」へシフトしていく中、カーシェアリングのような便利なサービスが普及することで、皆さまの豊かな暮らしの実現に役立てると考え、カレコをスタートしました。

カーシェアリング・ジャパン株式会社の代表取締役 村山 貴宣

カーシェアリング・ジャパン株式会社の代表取締役 村山 貴宣

カレコを説明する時に、よく例えとして用いるのが「コンビニエンス・ストア」です。今では、歩いて数分の範囲に、セブン・イレブンやローソン、ファミリーマートなど複数のコンビニがあります。近くにいろいろなタイプのコンビニがあるのはとても便利です。

しかし、一昔前はどうだったでしょうか?近くにコンビニはなく、買い物は少し離れた駅前のスーパーまで行っていたと思います。カレコが目指すのは、まさにコンビニのように「身近」で「選べて」「便利な」カーシェアリングです。皆さまの自宅や職場から歩いて行ける範囲で、コンパクトカーやエコカー、ファミリー向けワンボックスなど好きなクルマを選んで、24時間いつでも好きな時に借りられるカーシェアリングを目指しています。ですので、まずは首都圏を中心に密度高くステーションを増やしていき、皆さまの身近な場所に複数のステーションがある環境にしてきたいと考えています。

ステーションマップ

コンビニのように展開するカレコ・ステーション

ブログ編集部

たしかにカーシェアがコンビニのような存在になると、とても便利になりますね。では、なぜ首都圏からステーションを充実させていくのでしょうか?

村山

昨今、都心部に住まいを求める方が増えています。元々、公共交通機関の利便性が高いエリアにマンションが増え供給戸数が増え続けていることや、職住近接の考え方が広まっていることが要因として挙げられると思います。

都心部へ引っ越しをされる年齢層も幅広く、20代の一人暮らし、DINKS世帯、30代、40代でお子様含めて家族でお住まいになる方、お子様が独立され夫婦二人になった方など、さまざまです。その方々が、実際に引越しをされるときに、駐車場などクルマの維持費が高いことや、他の交通機関で代替が利くことから、マイカーを手放される傾向があります。

一方で、みなさん、クルマを持つことはあきらめたとしても、クルマを利用したいというニーズそのものはやはりあります。公共交通機関だけでは行きづらいところもありますし、送り迎えや買い物など日常生活の中でクルマが必要なときや、あったら便利なときなどのニーズもあります。また、週末にみんなでレジャーに出かけるというニーズも含めて、クルマが利用できれば行動範囲が広くなり、暮らしの中で楽しむ選択肢も増えていきます。こうしたニーズに、カーシェアリングというサービスはぴったりで、現在首都圏におけるカーシェアリングの利用率は非常に高くなっているのです。

ブログ編集部

たしかに、都心部では維持費も高い一方、他の交通機関が便利なので、マイカーは敬遠されがちですね。かといって、買い物や送り迎え、レジャーなどクルマを利用するニーズが無くなるわけではない。カーシェアは、この相反する課題の答えになりますね。

次回はキーワードを元にカレコの方向性を考える

カーシェアリングを「豊かな暮らしを支える次世代の交通インフラ」と位置づけるカレコ。利便性を向上するために、首都圏に集中して、コンビニのように密度高くステーションを設置していることが良く分かりました。次回は、「カレコの方向性を示す4つのキーワード」をテーマにお届けします。

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