ドライブの知識

ミニバンの「車庫入れ」は難しい? ポイントを知って試してみよう

広い室内に3列シートで、ゆったりしたドライブが楽しめるミニバン。その半面、車体の大きさから苦手意識を持つ人も少なくありません。特に、駐車への不安はよく聞かれます。でも、大丈夫。「車庫入れのコツ」さえつかんでしまえば、他のクルマとそれほど変わりません。

<目次>
なぜ「ミニバンの車庫入れ」は難しく感じるの?
駐車を実践するときのポイント
ミニバンの車両感覚に慣れるためには?
慣れてしまえば乗用車と変わらない

なぜ「ミニバンの車庫入れ」は難しく感じるの?

ミニバンは大きいから運転が難しい……。そう思われがちですが、実は車体の長さや幅は乗用車とさほど変わりません。大きく感じるのは車体の形状によるもので、「背が高く」「運転席から後ろが長いこと」ことがその違い。背が高いから、低い部分が見えづらく、運転席の位置が前にあるため、運転席より後ろが長く、クルマが大きく感じるのです。具体的に見ていきましょう。

背の高いクルマは、車両の周囲に死角が生まれ、また低い場所が視認しづらくなります。運転席からの視界を矢印で示すと、下の通りです。この矢印より下がすべて死角となります。

運転席からの視線を示す矢印。車両の前後にこれだけの死角ができる
運転席からの視界を示す矢印。車両の前後にこれだけの死角ができる

また、車体の背が高いことにより、低い位置も見えづらくなっています。ミニバンのドアミラーは、視認性を良くするために大きめのものが採用されていますが、それでも車体の低い位置は見えづらいものです。

車体の低い位置は見えていないことがわかる
車体の低い位置は見えていないことがわかる

2列シートのクルマと比べて、3列シートのミニバンは運転席の位置は、車体の前の方になります。そのため、運転席から後ろを振り返るとリアガラスがかなり遠くに感じられ、車体の大きさを意識させられます。

運転席から後ろが長いのもミニバンの車体特性のひとつ
運転席から後ろが長いのもミニバンの車体特性のひとつ

「背が高いこと」と「運転席から後ろが長いこと」は、クルマの直後が見えづらいことを意味します。この点を十分に頭に入れておきましょう。

車体のすぐ後ろはバックモニターでしか見えない
車体のすぐ後ろはバックモニターでしか見えない

駐車を実践するときのポイント

ミニバンの車両特性や注意点がわかったところで、それぞれの解決策を見ていきましょう。まずは、「ドアミラーで下が見えづらいこと」から。これは、ドアミラーの鏡面を下向きに調整することで、見やすくすることができます。

駐車するときは駐車枠が見えるぐらいまで下向きにする
駐車するときは駐車枠が見えるぐらいまで下向きにする

後方確認については、バックモニターを活用することに加え、目視で行うといいでしょう。いくらバックモニターがあるとはいえ、モニター映像では車体の長さや幅は掴みづらいものです。

窓を開けて実際に車体後部を見る、あるいはクルマを降りて車体後方を見るといったことも、少しめんどくさいと思われるかもしれませんが、大切なことだといえるでしょう。

ガイド線があるとはいえ、バックモニターで車幅感覚はつかめない
ガイド線があるとはいえ、バックモニターで車幅感覚はつかめない

また、車体が長いとハンドルを切るタイミングがわかりにくいものですが、後退しているとき、隣のクルマの角を自分のクルマの後輪が通り過ぎれば、その先は隣のクルマに近づいたりぶつかったりすることはありません。左にハンドルを切って後退するような駐車では、左隣のクルマに寄せるイメージで後退し、右後方の安全確認をしつつ、左隣のクルマとの間隔を見ていくと、上手にできるでしょう。

後輪が隣のクルマの角を過ぎればぶつからない
後輪が隣のクルマの角を過ぎればぶつからない
このとき反対側の後方にも注意しよう
このとき反対側の後方にも注意しよう

もしも、切り返しをするような場合には、駐車枠と平行(まっすぐ)になるように前進します。そして、最後はできるだけ“まっすぐ後退できるようにする”ことが、ポイントとなります。

駐車枠とクルマがまっすぐになったら、バックモニターで後ろの間隔を見ながらゆっくり下がっていきましょう。これで駐車は完了です!

最後はバックモニターを見ながら下がっていく
最後はバックモニターを見ながら下がっていく

なお、駐車時や狭い場所ではアクセルを踏まず、ブレーキの力加減で速度を調整していくとゆっくり落ち着いて操作ができ、いざというときもすぐにブレーキを踏み込むことができます。駐車時にアクセルを踏むのは、上り坂や段差があって、ブレーキを緩めただけはクルマが進まないときだけ、と頭に入れておくといいでしょう。

余談ですが、ミニバンのテールゲート(荷室のドア)は大きいため、車体後方に広い空間がないと、開けることができません。荷室の荷物を出すときには、テールゲートを開けられるスペースがあるかを注意しましょう。

後ろにスペースがないと、テールゲートを開けられなくなる
後ろにスペースがないと、テールゲートを開けられなくなる

ミニバンの車両感覚に慣れるためには?

運転感覚に慣れるためには、やはり実際に乗り慣れることが一番です。とはいえ、いきなり大きな車種に乗るのは、不安が多いもの。ミニバンの感覚を掴む第一歩として、コンパクトなSUVに乗ってみることをおすすめします。例えば、カレコなら「ライズ」「ヤリスクロス」「ハスラーHYBRID」など。

コンパクトSUVの「ヤリスクロス」
コンパクトSUVの「ヤリスクロス」

SUVは乗用車に近い感覚で乗れますが、乗用車よりも背が高いことから、車体後部の「見えづらさ」の一端を感じることができます。まずはコンパクトなSUVで、車両後方の感覚を掴んでみるといいでしょう。

慣れたら今度はコンパクトなミニバンにチャレンジ。「シエンタ」と「フリード」は、小さいながらも3列シートを持つミニバンで、運転席からの視界の感覚などを掴むことができます。また、5人乗りのコンパクトワゴン「ルーミー」も、ミニバンのような運転感覚をもつクルマです。

コンパクトなミニバンの「シエンタ」
コンパクトなミニバンの「シエンタ」
5人乗りワゴンの「ルーミー」
5人乗りワゴンの「ルーミー」

「シエンタ」「フリード」を不安なく乗れるようになったら、ミドルクラスの「ヴォクシー」「ステップワゴン」「セレナ」も、比較的すぐに乗れるようになるでしょう。全長は40cm以上長くなるものの、車幅は「シエンタ」や「フリード」「ルーミー」などとほぼ同じです。なお、「アルファード」になると、さらに全長が長くなるだけでなく、車幅も10cm以上広くなり、かなり大きさを感じさせられます。

「アルファード」は全長4,945mm~4,950mm×全幅1,850 mmと大きい
「アルファード」は全長4,945mm~4,950mm×全幅1,850 mmと大きい

慣れてしまえば乗用車と変わらない

ここまで取り上げてきたことを実践してみると、「乗用車とポイントは変わらないんだな」ということに気づくはず。車体の大きさや運転席の位置関係は違っても、クルマの操作は意外と変わらないものです。まずは、コンパクトなSUVやミニバンに乗って、今回取り上げたポイントを意識してみてください。すると、「こうすればいいのか!」と、きっと気づくことがあるでしょう。

お友達とのドライブやご家族を乗せてのお出かけなど、いろいろなシーンで活躍するミニバン。恐れず、焦らず、少しずつ運転に慣れて、乗れる車種の幅や行動範囲を広げてみてくださいね!

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